生成AIの問題は何か

いろいろと問題がありますが、ここで取り上げる問題は2つです。

  • 生成AIによって、クリエイターの仕事が奪われる

  • 生成AIによって、クリエイターになろうとする意欲が無くなる

技術は常に人の仕事を奪って行った、

技術は常に人の代わりに仕事をする仕組みを作って効率化をした。

さんざん言われていることだけど、生成AIの課題は衣類の工業化に非常に似ている。

  1. 機械織機の登場により、手織りから機械織りへ移行していった

  2. イギリスの手織り職人たちは、機械織り機の普及によって仕事を失うことに反発し、ラッダイト運動を展開した。

  3. かつては一着一着がオーダーメイドで作られていた衣類が、安価で大量に市場に出回るようになった。手作りの服が高価である一方、機械で作られた衣類は誰でも手に入るようになり、服飾デザイナーや裁縫職人の仕事が脅かされた。

  4. 短期間で最新のファッションを模倣し、低コストで大量に生産することに成功し、
    伝統的なデザイナーや職人たちが作り出すオリジナルの価値が相対的に低下した。

  5. 衣類の工業化によって職人による手作業は希少となり、逆に高級品としての価値が高まった。

  • ChatGPT

    衣類の工業化は、生成AIの課題と非常に似た問題を引き起こした。以下に、衣類の工業化の具体例を挙げて、生成AIとの類似性を示す。

    1. 手織り機から機械織り機への移行

    手作業で布を織っていた職人たちの仕事は、18世紀後半に登場した機械織り機によって激減した。ジョン・ケイの飛び杼や、エドマンド・カートライトの力織機の登場により、布の生産は急速に自動化され、多くの手織り職人が職を失った。これは、生成AIがテキストや画像の生成を自動化し、ライターやデザイナーの仕事を奪う可能性がある状況に似ている。

    2. ラッダイト運動

    1811年から1816年にかけて、イギリスの手織り職人たちは、機械織り機の普及によって仕事を失うことに反発し、ラッダイト運動を展開した。彼らは機械を破壊し、自分たちの生活を守ろうとしたが、最終的に産業の波には抗えなかった。この状況は、生成AIが登場した際に一部のクリエイターが技術の進化に対して懐疑的になり、AIの使用を拒否する動きと重なる。

    3. 縫製工場と大量生産

    20世紀初頭には、縫製工場の導入により大量生産が可能となった。これにより、かつては一着一着がオーダーメイドで作られていた衣類が、安価で大量に市場に出回るようになった。手作りの服が高価である一方、機械で作られた衣類は誰でも手に入るようになり、服飾デザイナーや裁縫職人の仕事が脅かされた。これも、生成AIが簡単に大量のコンテンツを生成し、従来のクリエイティブ業界に影響を与えている状況と似ている。

    4. ファストファッションの登場

    21世紀に入ってからは、ファストファッションの台頭がさらなる影響を与えた。ZaraやH&Mのようなブランドは、短期間で最新のファッションを模倣し、低コストで大量に生産することに成功し、伝統的なデザイナーや職人たちが作り出すオリジナルの価値が相対的に低下した。生成AIによって、安価で短期間にクリエイティブな作品が作られることも、こうしたファストファッションの影響に近いものがある。

    5. 職人技の希少化と高級化

    衣類の工業化によって職人による手作業は希少となり、逆に高級品としての価値が高まった。例えば、手作りのスーツやドレスは現在では富裕層の間でのみ需要があり、日常的にはほとんど見かけなくなった。同様に、生成AIによって大量にコンテンツが生成される中で、人間の手によるアートやデザインが「希少性」を持ち、高額で取引されるようになる可能性も考えられる。

    これらの例は、衣類の工業化が労働市場に大きな変化をもたらし、クリエイターや職人たちの仕事にどのような影響を与えたかを示している。そして、生成AIの登場によってクリエイティブな産業でも同様の変化が起こりつつある。

なんでAIはクリエイティブ領域に進出したのか

すごく単純な理由があります。AIは責任が取れないからです。
一般の方々が、AIが失敗したときに、AIを許せないからです。

「AIが間違えたなら仕方ない」といえるか。

  • たとえば、医療AIが誤診をして患者を死亡させたとき、遺族が「AIが間違えたなら仕方ない」といえるか。

  • たとえば、自動運転AIが事故を起こして乗っていた人に障害が残ったとして、「AIが間違えたなら仕方ない」といえるか。

  • たとえば、税金の申告をするAIが間違えて10倍以上の税金を支払うことになったとき、「AIが間違えたなら仕方ない」といえるか。

  • たとえば、イラストの中で指が6本になっていた時、「AIが間違えたなら仕方ない」といえるか。

これが答えです。
世の中の大半が「AIの間違い許せる」ようになったジャンルから、生成AIが進出していきます。

イラストや音楽といったジャンルは、はっきり言うと
「一般の方々は生成AIが作ったコンテンツでも良い」 ということである。

これは、工業化によっておいしい料理が手ごろに味わえるようになったということにも似ていますよね。

また責任を取る必要がある場合は、専門家が修正するという形で、人を介在させているパターンもあります。

閑話休題:AIと人間の違いはない

生き物の神経細胞をソフトウェアとして再現した単純パーセプトロンというものがある。

これの仕組みについては、ここでは説明しないが、そもそも神経細胞1つの動きは非常に単純なので、シミュレーションとして再現することができるということです。
※複雑な気流とかのシミュレーションができるようになっているのでこれくらいは簡単です。

実はChatGPTやStable Diffusionにもこの単純パーセプトロンが使われています。
単純パーセプトロンを、実際の神経のようにたくさんつなげて、そこに情報を入力して学習させて、学習した結果の出力をえるということです。

また、逆に本物の生き物の神経細胞をつなげて、生体コンピューターを作るという試みもあります。

さて、この単純パーセプトロンを使ったコンピュータと、生体コンピューターは何が違うのでしょうか?

私は何も違いがないと思います。

そして究極には人間の脳もすべては外界からの刺激に対する神経細胞による反応の連なりというだけなので、
肉体があるか無いか、ニューロンの数が多いかどうかということだけが、人間とAIの違いなだけなのです。

クリエイターはAI時代に何ができるのか

インターネットに国境はない

簡単にデジタルデータを世界各国とやりとりすることができるようになった、だからインターネットには国境はない。

厳密には中国のようにインターネットを監視し規制することで国境を設けることはできる。
が、自由で開かれた世界を求める人が多い以上、これらの規制は通りにくいだろう。

だから日本の法律でAIをどれだけ規制しても、ほかの国がその産業を侵略してくるのである。

クリエイターは高級指向・クォリティ指向になるしかない

人にしかできないことが2つある

  • AIの学習を強化するための学習データを作る
  • AIを使ってイラストを作成し修正する。

どちらも、AIと一緒にアートを作るという道だ。

機械を拒絶せずに機械と一緒に歩んでいけばよい。そうでなければただ淘汰されるだけ。

他にも、人間が書いた絵が価値を発揮する可能性はあるけど、
それは、裏付けのない価値であって、現代アートや伝統工芸品に似た売り方である。
それが向いている人もいるし、向いていない人もいる。ただ、めちゃめちゃ難しいと思う。

リエイターになろうとする意欲が無くなることについて

結論から言えば、むしろAIによって画力を上げるブーストができるんじゃないかと思っている。

私はイラストを描くこともできないし、挑戦したこともないのでわからないけど。

でも複数の人が、AIを使って絵の練習を始めている。

2時間で絵が上達したのはAIのおかげ。その方法と描いた絵の紹介|rimi

こんにちは、rimiです。AIが数学の家庭教師になるというデモを見て、「イラストの先生にもなってもらえるのでは?」と思い、やってみました。 結果は記事サムネの画像で、自分としては素敵に描けたと思っています!!!(AI絵ではなく、私が自分の手で描いたものです) この記事では、具体的にどうAIを使ったのかご紹介します。 イラストの描き方をAIに教わった流れ 準備: 自分の力だけで描いてみる (AIに教わる前の絵) 自分では「なんかいまいちだなぁ…」と思いながらも、なぜいまいちなのかがわかりません。これを出発点とし、AIに力を借りて、より素敵な絵を描くことを目指します。 手順1.
https://note.com/rimi_ai/n/n83a1485dd0bd

画像生成AI、お絵描き練習に便利説提唱したい|とりにく

前回の記事であんまりにもあんまりな結論を出してしまったので、試しに今回AIを使わずに絵を描いてみることにしました。 結果として、メンタルが死にました。私、かなりAIに下駄を履かされていたんだね……。 とにかく正解の線がわからなくて苦しい。ぜーはー言いながらAIを使った作画補助時の3、4倍くらいかけて描いた絵がこちら。 調子にのって無駄に高解像度にしてしまったのでファイルが重くてかないませんでした。 ハープはクリスタの素材、服の模様はAIを使用。 課題点としては ・表情とポーズが固い ・顔がうまく描きこめていない ・というか全体的に描きこみ不足 なのですが、ここでちょっと前の私の絵を見て
https://note.com/tori29umai/n/nce9d96360493

おわりに

技術が生まれてしまった以上、逃げられないっす。

AIと共存するか、AIに駆逐されるか、そのどっちかです。

AIと共存するにしても、常にAIを超えるクォリティを作り続ける必要があります。

要は地獄ってことですね。