アンチDebian


  • Red Hat Enterprise Line
  • Fedora
  • CentOS
  • Alma
  • Rockey
  • Nobara
  • bazzite
OS名運営形態RH本家との距離感(立ち位置)互換性の度合いライフサイクル(LTS相当か)有償サポート
RHELRed Hat社(商用)本家そのもの基準(100%)メジャー版ごとに10年(LTS相当)あり(公式)
Fedoraコミュニティ(RH支援)最上流(新機能の実験場)なし(先進的)約13ヶ月(短い・互換切り最速)なし
CentOS StreamCentOS Project(RH主導)準上流(RHELの次期開発版)RHELの少し先を行く約5年(RHELのフルサポート終了まで)なし
AlmaLinux非営利団体(コミュニティ主導)下流(RHEL互換OS)ABI互換(実用上の完全互換)メジャー版ごとに10年(LTS相当)あり(サードパーティ)
Rocky LinuxRESF(CIQ社等バックアップ)(RHEL互換OS)Bug-for-Bug互換(バグまで一致)メジャー版ごとに10年(LTS相当)あり(サードパーティ)

1. 運営形態とRed Hat本家との距離感

Red Hat系OSは、開発の流れが「川上(上流)」から「川下(下流)」へ流れる構造になっています。

  • Fedora(最上流):
    最先端の機能をどんどん取り込む実験場です。ここでテストされて安定した機能が、将来のRHELに採用されます。Red Hat社が強力に支援していますが、運営はコミュニティです。
  • CentOS Stream(準上流):
    かつてのCentOSはRHELの「下流(コピー)」でしたが、現在はRHELの「一歩手前」を走る開発版(ミドルストリーム)になりました。Red Hat社が直接コントロールしています。
  • AlmaLinux / Rocky Linux(下流):
    RHELがリリースされた後に、その成果物をベースにして作られるクローン(無料版RHEL)です。Red Hat社からは完全に独立した組織が運営しています。

2. 互換切りのスピード感とLTS(長期サポート)

UbuntuのようなLTS(長期サポート)という明確な名前の版はありませんが、**RHEL、AlmaLinux、Rocky Linuxの3つは、最初からすべてLTS(10年サポート)**として機能します。

  • Fedora: 互換切りは最速です。約13ヶ月でサポートが切れるため、サーバー用途で「お任せで安定運用」には向きません。
  • CentOS Stream: ローリングリリース(常にアップデートされ続ける)に近いため、気づかないうちに細かい挙動が変わることがあります。サポートは対象メジャー版のRHELが「フルサポート」を終えるまでの約5年間です。
  • RHEL / Alma / Rocky: メジャーバージョン(例:Enterprise Linux 9など)がリリースされると、10年間はコアとなる仕様が変わらず、セキュリティ修正が提供され続けます。互換切りは最も緩やかで、非常にステーブル(安定)です。

3. 有償サポートの有無

  • RHEL: 本家なので、Red Hat社による24時間365日の手厚い公式サポートが受けられます(これが製品の本体価値です)。
  • AlmaLinux / Rocky Linux: OS自体は無料ですが、ビジネスで安心して使えるよう、外部のIT企業が個別に有償サポートを提供しています。例えばAlmaLinuxならCloudLinux社や日本のサイバートラスト社、Rocky LinuxならCIQ社などが商用サポートの窓口になっています。

💡 補足:現在のAlmaLinuxとRocky Linuxの決定的な違い

2023年にRed Hat社が「RHELのソースコードを一般公開しない(CentOS Streamのコードだけ公開する)」という制限をかけたため、この2つの互換性へのアプローチが分かれました。

  • Rocky Linux(Bug-for-Bug互換を継続):
    クラウドのインスタンスや正規コンテナの隙間から「本物のRHELのソースコード」を合法的に調達し、バグの挙動までRHELと100%一致させることにこだわっています。
  • AlmaLinux(ABI互換へシフト):
    100%同じソースコードにこだわるのをやめ、「RHEL向けに作られたアプリケーションが、問題なくそのまま動くこと(ABI互換)」を保証する方針に変えました。これにより、RHELの本家に残っているバグをAlmaLinux側で先んじて修正したり、RHELが切り捨てた古いハードウェア用のドライバを独自に復活させたりといった、柔軟な運用をしています。
    結果として、アプリケーションを動かす上ではどちらを選んでもCentOS時代と変わらない安定度を誇ります。